「もうすぐ終わるはずなんだけどな……」 冬の夕暮れ、小学4年生の翼が通う塾の前で、母の智子はずっとスマートフォンを気にしていた。塾の終了時刻は19時。しかし、先生の話が長引いたり、質問をしていたりすると、平気で15分、20分と遅れることがある。
塾の周りは交通量が多く、少し歩けば街灯の少ない暗い裏道もある。智子はいつも、塾の入り口付近で翼が出てくるのを待っていた。しかし、下の子の寝かしつけや家事もあり、この「いつ終わるか分からない待ち時間」が、地味に精神を削っていく。
(早く帰って夕飯の支度をしたいけれど、一人で夜道を歩かせるのは不安……)
そんな智子の救世主となったのが、みまもりGPSの通知機能だった。塾の建物周辺を「通知エリア」として登録しておけば、翼が建物を出た瞬間に、智子のスマホに通知が届く。
『翼くんが【塾】を出発しました』
その通知を見てから、智子は急いでコートを羽織り、家を出る。移動履歴を見れば、翼がいまどの交差点を渡っているかも一目瞭然だ。 「あ、ママ! ちょうど今終わったところだよ」 塾から出てきた翼と、道の途中で合流する。お互いに無駄な待ち時間がなく、かつ登下校の安全も確保できる。この正確な位置情報こそが、忙しい現代の親にとって最高の防犯対策なのだと、智子は確信していた。