「おーい、〇〇くんがいないぞ!」 田舎の実家に帰省中、父の大声が響いた。小学1年生の湊が、庭で遊んでいると思っていたら、いつの間にか開いていた門扉から外へ出てしまったらしい。
実家の周りは、似たような田んぼのあぜ道や、細い路地が入り組んでいる。都会の格子状の道とは違い、一度迷うと大人でも方向感覚を失うような場所だ。おまけに街灯も少なく、夕暮れが迫っている。
「どうしよう、どっちに行ったの?」 パニックになる祖父母を落ち着かせ、母の美咲はスマートフォンを取り出した。 「大丈夫、これを持たせてるから」
湊のズボンのベルト通しには、みまもりGPSがしっかり装着されていた。アプリを見ると、湊は実家から数百メートル離れた、小さな川沿いの道をゆっくりと歩いているようだった。
「こっちだよ!」 美咲たちはGPSの指し示す方向へ急いだ。果たして、道端で珍しい色のカエルを見つけて夢中になっていた湊を見つけることができた。
「ここはいつもの道じゃないから、迷子になったら大変なんだよ」 そう言い聞かせながら、美咲は心から思った。小学生の防犯対策は、日常だけでなく、こうした「非日常」の場面でこそ真価を発揮する。帰省や旅行、不慣れな土地へ行く時、GPSは家族全員を繋ぐ安心の絆になるのだ。